家庭用ビデオによるアート・ドキュメンタリー撮影マニュアル

家庭用ビデオカメラによる
アート・ドキュメンタリー

 1、はじめに
 2、撮影
 3、展覧会を撮る
 4、フォーカス
 5、アイリス
 6、三脚を使う(水平・垂直)
 7、ホワイトバランス
 8、フレーム(カット)
 9、三脚を使う(パン・チルト)
10、ズーム
11、照明
12、音声
13、展覧会を撮る―まとめ―
14、制作風景を撮る
15、インタビューを撮る
16、
編集・発表





■ 必要な道具 ■ 
 ここに記載しました道具を全て揃える必要はありませんが、最低でもカメラと三脚は必要です。
◆ ビデオカメラ
 
家庭用ビデオカメラもいろいろ発売されていますがカメラとしてきっちりとしたマニュアル操作のできる、高画質のものが良いでしょう。(写真はこのマニュアルを最初に作った当時1996年発売のDJ-1です)
◆ 三脚
 三脚はカメラの次に重要です。

 ビデオ用のしっかりとした物を用意しましょう。2万円から4万円くらいの物であれば、DVビデオカメラには十分だと思います。

 カメラを乗せたときに雲台がなめらかに動く事と、脚部分のたわみの少ないもので、できれば水平の出しやすいボールレベラータイプの三脚を選びましょう。

 カメラを乗せた状態でパン・チルトが、しっくり出来るものが必要です。



◆ ビデオテープ
 DVテープで80分のものは、テープが薄く、耐久性が悪いので、30分か60分程度のものを使いましょう。

 また、テープの最初と最後の1分くらいはドロップアウトノイが多いことがあるので、重要な撮影はしばらく回してから録画に入りましょう。あらかじめ、テープの最初にブラックやカラーバーなどを録画しておくのも良いでしょう。

 またLPモードは互換性がとれない(他のデッキなどで再生出来ない)場合がありますので、通常は標準モードで撮影してください。

◆ バッテリー
 撮影する予定時間の倍の長さが撮れる事のできるバッテリーを用意しましょう。30分撮影するのであれば60分間使用出来るバッテリーが必要です。

 カメラはスタンバイ状態でも、バッテリーを消耗しますので、十分注意してください。長時間の撮影には、AC電源を用意しましょう。

◆ 照明
 照明は大きく分けて2種類あります。バッテリーで使用するものと、AC電源で使用するもの。家庭用のビデオのバッテリーで使用するタイプは(10〜20w)、補助光としてインタビューなどの2〜3mの距離に大変有効です。

 大きい作品等を照明するときには、300w以上のAC電源タイプが必要です。展示会場の雰囲気を残すためには、照明しすぎるのも、よくありません。

 AC電源で使用の場合は、ケーブル延長用のテーブルタップを必ず用意しましょう。




◆ ワイドコンバージョンレンズ
 広角側の画角をさらに広げるためのレンズです。通常、0.7倍、0.5倍等がメーカーのオプションやレンズメーカーのオプションになっています。1万円〜2万円位です。

 狭い部屋等で全景を撮影する場合などに使用しますが、広角レンズは画面の端の方で多少歪みがあり、フォーカスが合いにくいので、
多用はしない方がいいでしょう。


◆ 外部マイク
 
マイクは、集音内容に合わせて用意したいものです。カメラの内臓マイクでは、鮮明な音を記録するのは難しく、場合によっては、カメラの操作音が入ってしまいます。

 外部マイクとして便利なのは、ピンマイクがあります。比較的マイクの回りの音だけを集める様になっていますので、インタビューや素材音を録音するには効果的です。

 市販のピンマイクは、ケーブルが短いので延長ケーブルを用意しましょう。逆に部屋全体の音を録音するには、ステレオマイクなどの指向性の広いものがおすすめです。ニュースの取材などでよく使われている指向性の鋭いガン・マイクもあれば便利です。





◆ ヘッドフォン
 マイクで収録する音の確認には、必需品です。音が重要になる場合には用意しましょう。
■ あれば良いもの ■ 
◆ 偏光フィルター
 被写体に何かが、写り込む様な、例えばアクリルのケースや、表面に光沢のある写真などは、偏光フィルターを使用すると写り込みを軽減できます。

 ただし、正面方向からでは効果がなく、45度ななめ方向からの撮影にのみ効果があります。レンズを保護するための、クリアーのフィルターを常時使用することも、お勧めです。


◆ カラーモニター
 フレームの決定やカラーのバランスを確認するのに役に立ちます。

 特に、フレーム内に異なった色温度の被写体のある場合や、水平、垂直を厳密に決定したい場合などには不可欠です。6インチ程度でバッテリー駆動のものもありますが、長時間撮影の場合は、AC100Vのケーブルや延長のテーブルタップも忘れずに。


◆ ドリー
 三脚の下に付けて使用する台車です。

 平らな床であることが条件になりますが、立体作品等を移動しながら撮影することができます。

◆ ワイヤレスピンマイク
 主にインタビュー用です。カメラと話す人物が離れていたり、ケーブルが目立ってしまう場合に有効です。(ビデオの説明画面は、送信機側だけです。カメラ側に受信機が必要です。)

 家庭用マイクでは適当なものがなく、UHF波のワイヤレスマイクは、高価なので、なければ有線のピンマイクを使用します。

 有線のマイクでは、ケーブルが短い場合がありますので、5m程度は延長できるケーブルを用意しましょう。




◆ 撮影に便利な小物
 ガムテープ(ちょっとしたものの固定等に使用。)
マジックペン(テープに内容を書き留めたり、多用途。)
マグライト(手元の暗い撮影場所では必需品。照明の補助にも。)
 
BACK NEXT